阿瀬渓谷植物ハイキング
「神鍋植物ハイキング 春の花 」(5月23日)に続き、秋は「阿瀬渓谷植物ハイキング 」。
兵庫県立人と自然の博物館 と神鍋山野草を愛でる会の共催セミナーが行われました。
案内は、人博主任研究員の高野先生と愛でる会泉会長です。
今回のテーマは秋の花を楽しむことと鹿食害の現状を知ることです。
<どの写真もクリックで拡大し、写真右上の×ボタンで元に戻ります>
発電所前駐車場 ゲンノショウコ(白)
ゲンノショウコ(赤) コナスビ
キジムシロ 羽根つきの羽根に似たツクバネ
オヒガンギボウシ
オヒガンギボウシと蜂 残っていたイワタバコ
ツリバナ(実) カラスノゴマ(アオイ科)
テンニンソウ(蕾) 龍王滝
コガクウツギの装飾花の紅葉 ホツツジ
ツリガネニンジン タンナサワフタギ(実)
季節外れのタニウツギ オニグルミ(実)
フシグロセンノウ
花だけが残っているサンヨウブシ(トリカブトの仲間)
阿瀬の谷奥には江戸中期の廃坑までは金銀の採掘、その後は炭焼き等で暮らす金山村がありました。
山中の不便さと時代の流れで家が減り続け、昭和37年に最後の一軒が村を離れ廃村となりました。
当時は子供たちの声が響いていたであろう分校跡に立ち、往時を偲びながら住民の気持ちに思いを寄せました。
金山廃村 金山村の歴史(クリックしてお読みください)
今回の絶滅危惧種はオヒガンギボウシとサンヨウブシとのこと、とくにサンヨウブシは鹿被害によってまさに絶滅寸前の状態です。
猛毒で知られるトリカブトの仲間がなぜ鹿被害?と疑問でしたが、状況を見て理解できました。
鹿が笹や下草を食べてしまったことで、サンヨウブシが孤立・露出し夏の日照りで葉が焼けてしまっています。
アルプスなどの山歩きで群生するトリカブトはよく見ますが、日焼けして枯れた中に花だけが残っているのが異様に感じられます。
阿瀬渓谷は多種多様な草花が四季を通じて咲き、秋にはトチの実・オニグルミ・アケビなどの木の実も採取でき、豊かな自然が我々を楽しませてくれます。
一方ここ数年の鹿による食害で、笹などの下草がなくなり群生しているのが、マツカゼソウ・タケニグサ・フッキソウ・アセビ・イワヒメワラビなど鹿が食べないものばかりで、既存植物の破壊と耐鹿植物?の偏りが顕著に見られます。
これからは自然を楽しむことばかりでなく、守る活動も必要となるでしょう。
それにはまず現状を見て知ることから始まりますね。
食害によって丸裸の斜面 斜面の崩壊
阿瀬渓谷の第一駐車場から第二駐車場にいたる道の斜面が崩れて、道を完全にふさいでいます。
下草が無くなった斜面は台風でなくとも大雨で崩壊しやすくなっています。
11月には「阿瀬渓谷紅葉まつり」が計画されていて、復旧工事も予定されているそうです。
( izayamiki )
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