2015 神鍋山野草だより 3月第1週
神鍋山野草を愛でる会案内人、泉さんから3月第1週のレポートが届きました。
(写真はクリックで拡大し、画面右上の閉じるマークで元に戻ります)
春一番の花が咲きだすシーズンがやってきて今回も新しい花に出会いました。
ワビスケ落ち花(ツバキ科)
初めて見ました。
落ち花が花丸ごと落ちていましたのでツバキと解りましたが、雌しべが目立ち雄しべが目立ちません。
ワビスケ開花状態 正面
どの花も8分咲き状態で不思議で、一枝採取して持ち帰り図鑑で調べると、一番花が少ない12月~4月頃咲くワビスケ(侘助)と判明。
日本原産でツバキとチャノキの交配で平安時代から楽しまれているそうです。
名前の由来が庭の片隅でひっそり咲いてわび、さびのある花の姿から連想する意味と、古くから茶花として花庭に植えられた時代に、侘助という茶人がいてこの花を愛していた説があります。
チャノキ10月とツバキ4月の間を取り持つ花を初めて写真に撮りました。
ザゼンソウ群生(サトイモ科)
サトイモ科にはミズバショウやマムシグサがありますが、私達が食べるサトイモの花は見た事がありません。
さらにこの花は開花する時発熱が起こり20℃まで上昇し、周囲の雪を溶かす事がよく知られています。
動物の様な不思議な植物です。
開花したザゼンソウ
雌花が先塾し発熱時に悪臭と熱により花粉を付けたハエ類(昆虫)をおびき寄せます。
その後雄花が出だす頃は熱も収まるそうです。
秋、根に溜まった養分を求めてイノシシが掘り返し食べる姿が目撃されています。
ネットに囲まれたザゼンソウ群落
昨年秋にこのエリアは、豊岡市の企画でネットで囲われ保護されました。
それまでは地元の野草を大切に守って来られた老人によって自前で管理されていました。盗掘や獣から希少な山野草を守る事も、大切な自然保護の方法です。
アオザゼンソウ
ごく稀に衣が緑色したザゼンソウも見られます。
2年前に別の場所で盗掘に会い悲しんでいたところ、ここでは見る事が出来ます。
花を愛する老人のお陰で 神鍋高原では守られてきたのです。
一人でなく地元全体でこんな取り組みが出来たら地域活性につながり、交流人口も増える事でしょう。
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