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2014年3月

2014年3月26日 (水)

2014 愛でる会 活動開始

昨年11月の例会から冬期間休止していた神鍋山野草を愛でる会の活動が始まり、25日に道の駅神鍋高原で2014年総会が開かれました。
会則で強調されているのは、第2条(目的)「神鍋の自然美の恵みを愛しむとともに、会員相互の親睦を図ります。そして山や野を荒らさず、自然環境を守り保護することを肝に銘じ、活動を行います」のスタンスです。

5年間の活動の中で850種の野草花を観察記録する反面、盗掘や山菜の乱採取・投棄ゴミ・外来種の広がりそしてシカ被害など、解決すべき課題も多く出てきました。
●愛でる会総会資料 →  「soukaisiryou.pdf」をダウンロード

午後は雪が消えた湯の原温泉オートキャンプ場付近の散策を楽しみました。
笹の下葉の食害           鹿の糞
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木の樹皮の食害     獣道
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彼岸を過ぎたといっても所々に雪が残る時期ですが、早咲きのもので目立つのは、アセビやミツマタ・ナニワズの花です。
いずれも毒があるなどで鹿が食べないものばかりです。
阿瀬渓谷から谷が違う湯の原温泉まで鹿が移動?広がっていることが分かります。
アセビ                 ナニワズ
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ミツマタ        下部が食べられた温泉の生け垣
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笹など下層の植物に被害が広がると、鹿が食べない植物だけが残り、生物多様性が損なわれるのと、土壌の崩れにも繋がり森が荒れてくるそうです。
「話しに聞くのと実際に見るのとでは迫力が違う」そんな思いを新たにしました。
キブシ           ツノハシバミ
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平成21年に地元会員20名で発足して5年、850種を超える山野草を愛で、ナツエビネやツチアケビなど希少種の発見と保存にも取り組んできました。
愛でる会の活動は、毎月第2・第4火曜日の午前に計画されています。
次回は4月8日、午前9時30分~12時まで、清滝公民館集合、神鍋溶岩流付近の観察です。

「神鍋山野草を愛でる会」 事務局 道の駅神鍋高原 内 
豊岡市日高町栗栖野59-13 TEL 0796-45-1331

 

2014年3月25日 (火)

2014神鍋山野草だより 3月第4週

神鍋山野草を愛でる会案内人、泉さんの3月第4週のレポートが届きました。
(どの写真もクリックで拡大します)

大岡山から見た蘇武岳連山です。
左から妙見と蘇武の間に氷ノ山が見えます。
その右、真白の雪をかぶった小さな三角、名色の上が蘇武岳です。
名色、万場、奥神鍋スキー場に万劫(まんごう)の旧スキー場コースが見られます。
左下に山宮スキー場跡太陽光発電が稼働して時代の移り変わりを感じます。
神鍋高原から蘇武岳が見える場所はなかなか有りませんが、雪の時期ここからがやっと説明出来る場所でしょう。

大岡山から見た蘇武岳連山
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神鍋高原でも積雪30㎝ぐらいですが、樹の下は雪が無く、コハコベ、ヒメオドリコソウ等春一番の花が咲きだしました。
 
今回はジンチョウゲ科、ミツマタが咲き報告します。
ミツマタ蕾
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ミツマタ花
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1月の春を待つ蕾から3月下旬~4月にかけて咲きます。
中国、ヒマラヤ原産で日本には室町時代に和紙の原材料として栽培され、本州南部の中国、四国地方で多く生産されます。
本年枝は必ず三又になっていることから名が付きました。
葉の展開前に開花し、花は両性で花弁はなく、萼(がく)が4列し目立つちます。
用途は樹皮を紙原料として利用、明治以降に紙幣の原料にされ、観賞用にも栽培されています。
 

鹿の不嗜好植物としても有名で、北近畿豊岡自動車道の青垣エリア左斜面で現在花盛りです。
神鍋高原でも、アセビ、ナニワズ、カラスシキミ、バイケイソウだけが山では残ります。

2014年3月18日 (火)

2014神鍋山野草だより 3月第3週

神鍋山野草を愛でる会案内人、泉さんの3月3週のレポートが届きました。
(どの写真もクリックで拡大します)

3月17日 奥神スキー場は感謝デーで1日券1000円 雪景色、スキー、花見、餅まき等を楽しみました。
奥神スキー場900mの頂上から三川山方面の写真です。
冬ここからでないと説明出来ない光景があります。

三川山方面北側
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先ず左側から妙見~蘇武~三川~佐津のルートが雪の線となって三川西に位置します。三川山と言っても2つあり、写真中央白い雪をかぶる三角点のある三川権現の山、三川山888m、手前左に見えるマイクロウエイブが有る頂上は917mもあるのです。
この場所は旧竹野、日高、香住の稜線が交わる頂上です。
その東に稲葉~三川に登るルートの雪道が見られます。
その右稜線に見える雪道は水口~三川に登る雪道、さらに右に水口~三原村に続く雪道がカーブしています。

大岡山に続くこの稜線は高度700m程の場所で マンサクが群生して咲きます。
 
マルバマンサク(マンサク科) 
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日本海側に咲き、写真に写っているように果実の殻(直径1㎝で熟すと2裂黒い種子を2個出した跡)と葉の展開前に咲き始める花です。
花弁は黄色4個、線形で長さ2㎝、ガク片も4個卵形で紫色で目立ちます。

名前の由来は枝いっぱいに花を咲かせる満作、又先ず真っ先に花が咲く所からきたといいます。
繊細な花弁、色のコントラスト、寒い冬が終わりかけ春を知らせる感動の花です。
花としてはミズメやヤマハンノキ等早く咲く花もありますが、やはり咲く時期 20日が安定して目立つマンサクが当たります。  

2014年3月11日 (火)

2014神鍋山野草だより 3月第2週

<おしらせ>
「神鍋山野草を愛でる会」の活動や案内人泉さんのレポートは、「道の駅神鍋高原」のホームページの右側「神鍋山野草を愛でる会」のバナー(空色)から入れます。

神鍋山野草を愛でる会案内人、泉さんの3月2週のレポートが届きました。
(どの写真もクリックで拡大します)

3月に入っても寒い日が続いていましたが11日快晴、朝気温マイナス4℃ 奥神、万場にスキーに行ってきました。
最高の雪景色、昼ごろ900mの頂上で5℃になり春の花に出会いました。
スキー場には雪があるので、今月23日迄十分楽しめます。
やはり写真は雪景色になりました。

 

昨年から人気が高い大杉山1007mの頂上から神鍋高原が眺望出来る最高の場所で、万場スキー場から直ぐそこに見えます。
中央頂上少し左の杉に枯れ枝が見える木が大杉、幹回り7mの大木で、山の名前の由来がこの木から付いています。

大杉山雪景色
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神鍋高原はブナ、トチ、ナツツバキ、クルミ、ヤブツバキ、カツラ等自然林豊かな関西でも珍しい場所です。
もちろん神鍋山は2万年前まで噴火していた近畿で一番、その溶岩流は見どころいっぱいです。
今回はヤマハンノキです。カバノキ科 えんじ色した雄花が垂れ下がってミズメと共にスキー場で一番目につきます。

ヤマハンノキ(カバノキ科) 
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雌雄同株 葉の展開前に花が咲く、雄花序は7~9㎝、その下に8㍉の雌花序が付きます。
花序
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1房持ち帰って図鑑とにらめっこ。
葉の冬芽は長卵形先端は少し丸く、その下の昨年落葉した葉痕の三角状点で同定しました。
この時期でないと木の名前は解らないかもしれません。

葉痕
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スキーと植物観察と二重の楽しみを有難う。
高度500m付近でマンサクの蕾を見つけて来週紹介出来ます。
リフト代も1日券シルバー2500円になりお得感があります。
17日は感謝デーで1000円、13時~景品付き餅まきがあります。

2014年3月 8日 (土)

但馬のシカ被害を考える会

勝手に名前をつけましたが、正式には「氷ノ山周辺の自然を考える報告会」、主催は「新さわやかな環境づくり但馬地域行動計画推進協議会」で、但馬県民局と鳥取県の共催。
なんと長い名前でしょうね。
会場は日高町神鍋高原の西気コミュニティセンター、兵庫県各地や鳥取県からの参加者で会場は満員、シカ被害問題の関心の高さが分かります。
会場                 レジュメ
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基調報告として、「但馬地域におけるシカ生息状況の概要」を兵庫県立大の藤木大介准教授が、「シカによる植物被害」をテーマに、コウノトリ市民研究所の菅村定昌副代表からありました。

藤木氏は「2000年初頭に南但方面に多かったシカが香美町や蘇武・神鍋に広がり、但馬全域に増えてきていて、高所のシカが麓近くで越冬している。シカが森林に与える影響は、樹皮や植物への食害で下層植生が衰退し、裸地化による土壌浸食や植物多様性が失われる」など、森が壊れる様子が話されました。
また適正密度管理として、兵庫県が目標としている3万頭以上の捕獲が必要で、全体では達成しているものの地域格差があり、但馬北部の捕獲が少ないそうです。
但馬地域別捕獲目標と実績   今後の課題
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菅村氏は奥山・川・海・高原に分けて、「稀少植物や固有種など生物多様性を含め地域の自然に対し、河川改修や里山の減少・登山者増加など人による被害の上に、いまシカがとどめを刺している」現状が話されました。

次に自然保護の取り組みを進めている5団体の代表から活動報告がありました。
①「南但馬の自然を考える会」の西垣さんから、氷ノ山古生沼・古千本湿原の固有種希少種が湿原の乾燥化とシカの食害で衰退しているのと、山頂のトイレ休憩所・登山客の増加による問題に対し、立ち入り制限ロープ張りやシカ網の設置などの保護活動が報告されました。

②「兵庫ウスイロモドキを守る会」近藤さんから、鉢高原に生息しているウスイロモドキ(ヒョウモン蝶類)が餌とするオミナエシの減少や人が山には入らなくなり草刈りが減少したことなど草原環境の変化と保護活動が報告されました。

③鳥取県「氷ノ山ネイチャークラブ」山本さんからは氷ノ山周辺のコキンバイ、サンカヨウ、キャラボク等へのシカ被害と防護柵や登山道の崩れ防止の階段設置の活動。
捕獲したシカの肉と皮の有効利用にも触れられました。

④鳥取県「ニホンジカによる食害から氷ノ山の高山植物を守る会」の戸井さんから氷ノ山山腹のサンカヨウ群落・キンバイソウへの被害だけでなく、檜の樹皮食害や鉄道及び車輌への衝突の被害が、併せて電気柵の設置、くくり罠による捕獲等の活動も報告されました。

⑤地元「神鍋山野草を愛でる会」案内人泉さんから、5年にわたる神鍋高原の観察で見つけた自然植物850種と希少種の観察と保護活動が報告されました。
これら植物の写真は道の駅神鍋高原のギャラリーに展示してありますが、一部のものは絶滅しているかもしれないそうです。
神鍋高原ジオエリアに自生する多様な植物を愛でつつ、貴重種も含め人やシカから守る活動が進んでいます。

続いて会長の田中さんが「神鍋高原を中心とするシカ生息調査の結果」として昨年9月から12月に渡る目撃調査結果を報告されました。
評価では広域基幹林道(蘇武妙見線)もあり、神鍋高原周辺でシカが多数住みついていて降雪前に山から下って山麓で冬越ししていることが報告されました。
広域的に見るとシカが南部から北部に移行していると推定され、被害が認められない新温泉町以外で笹など下層の植物に被害が広がり、土壌のくずれも認められるということでした。
愛でる会の活動          シカ生息調査報告
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各団体の報告から分かるように、豊かといわれる但馬の自然のなかで生物多様性が人や獣(特にシカ)によって被害を受けている実態、それに対する保護団体の活動とそれでは追いつかない現状が分かってきます。
シカ被害といえば里の農作物への被害が知られていますが、それだけでなく「森が壊れてきている」「人によって壊されつつある自然にシカがとどめを刺している」この言葉が胸に響きます。
研究者や環境保護団体・自然愛好家・住民団体・個人がそれぞれの立場で、自然環境保護を考えるよい機会となりました。

シカの適正密度を保つにはロープやシカ網・電気柵の設置ではなく、狩猟やワナによる捕獲が欠かせません。
次は、3万頭超の捕獲された鹿が廃棄処分されている現状を憂い、鹿肉を食べる活動を続けている「但馬もみじの会」をレポートします。


2014年3月 4日 (火)

2014神鍋山野草だより 3月第1週

神鍋山野草を愛でる会案内人、泉さんの3月1週のレポートが届きました。

今日も朝-4℃快晴スキー日和、万場山頂からの風景写真でやはり1月2週も載せた豊岡四山が映った写真 左から来日山、矢次山、大岡山、手前に御机山、中央に神鍋山。
前回は豊岡盆地の雲海ですが今回は整地された奥神と万場を連絡する四季の森コースの眺望お楽しみ下さい。
まだまだスキーは楽しめます。

万場山頂
Photo

今回の花はアツミカンアオイです。
ウマノスズクサ科で冬場でも枯れず常緑で青々していることから名が付いたとか。

アツミカンアオイ
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この葉は春の妖精ギフ蝶の食草として有名で、蝶の愛好家は最近見られなくなっているとのこと。
ギフ蝶
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ギフ蝶は神鍋高原で見られます。
ツツジの仲間コバノミツバツツジやユキグニミツバツツジの蜜を求めて、早春3月下旬4月飛び交いアオイの葉裏に卵を生み付けます。
動物と植物が共生している貴重な種です。
 さらにアオイはアリが受粉や種の持ち出しを助け、1万年で1Kmしか移動することが出来ないらしく、見つけた場所でとても長い年月が経っている等大切に愛でなければなりません。
簡単な野草でも長い歴史があるのですね。

コバノミツバツツジ
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ユキグニミツバツツジ
Photo_9

 

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